スポーツビジネスコラム

スポーツ選手の引退後、新たなキャリアをどう作る?引退後の社会人が語る!

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お疲れ様です!
本日はスポーツ選手が引退後どのようにキャリアを作るべきかについて語ります。
6年間スポーツ選手として活動し、結構しっかり目のベンチャー企業で働いてますが、引退後に社会人として生活する中で気づいたセカンドキャリアについて皆さんにも知ってもらいたいです。

スポーツ選手のセカンドキャリアがなぜ築けないのか

今のスポーツ選手を対象に行った調査をもとにどうしてこのような問題が起こるのかについて見ていきたいと思います。

よくあるスポーツ選手のセカンドキャリアについては併せてこちらをご覧ください↓

https://www.athletelinksbiz.site/column/soccer-carrier/

データから読み解くセカンドキャリアへの意識

長年の夢に賭けてきたプロスポーツ選手にとって、引退後のキャリア形成は大きな課題となっています。スポーツ庁の調査によると、現役を退いた選手の約6割がセカンドキャリアへの不安を抱えているとされます。一生をかけて打ち込んできただけに、次の進路に見通しが立たないことが大きな理由だと考えられます。

プロスポーツ選手の平均的な現役生活は10年前後と言われています。その間は、スポーツそのものに全力を注ぎ、将来の仕事のことまで考える余裕はありませんでした。しかし、引退を控えた頃になると、これまでの人生設計が白紙に戻されてしまうのです。

それまでの収入源を失い、長年の夢が潰え、これから先どうすれば良いのか道筋が見えない。そうした不安から、キャリア形成への障壁が高くなるのも無理はありません。現に、引退後1年以内の無職率は約4割と高止まりしています。

スポーツ庁の調査

スポーツ選手の引退後のキャリアを考えない団体が多いこと

実際に選手が属するチームのアンケートではキャリアについて考えなていないチームが多い結果となっています。
選手のだけに原因があるわけでなく、それに対するチームにも原因があることがわかっています。

スポーツ庁の調査結果。
アスリートのキャリア支援に関する方針の作成状況のアンケートで作成していると回答した団体はいずれも20%以下だった。

スポーツに打ち込んできたからこその課題

スポーツ選手は青年期から専門的なトレーニングに費やし、一般常識を身につける機会が少なかった場合が多いのが実情です。また、努力と熱意を一つの目標に注ぎ続けてきただけに、分野を変えての一からのスタートには不安を覚えるでしょう。私も実際転職後はそうでした。

幼少期から特定の競技に専念してきた選手にとって、ビジネスの基礎知識やマナーを学ぶ機会は限られていました。加えて、長年の激しい環境とは異なる一般社会の雰囲気に戸惑うこともあります。

さらに、スポーツ選手気質ゆえの課題も存在します。競争心が強く、勝利へのこだわりが強すぎるあまり、新天地での平凡な立場を受け入れられない場合もあるでしょう。また、結果への固執は、一般社会において精神をすり減らす枷になることもあります。

実際に私は結果が出にくい仕事をしていながら、結果にこだわるあまり、うまくいかない日々にモヤモヤした気持ちで過ごすこともありました。
毎日が試合でもある仕事ではもっと気楽にしてて良い時もあることを学んでいます。

筆者の体験談から

引退後に先の見えない不安

プロスポーツ選手が現役を引退すれば、突如これまでの人生設計が覆されてしまいます。経済的な不安もさることながら、精神的にも大きなダメージを被ります。長年かけてきた夢が潰え、これまでの自身のアイデンティティーを失ってしまうのですから。

経済面でみれば、従来の収入源を失うことで生活に支障をきたす可能性があります。プロ選手の年収は高額ですが、引退と同時にその収入はゼロになってしまいます。さらに、選手時代から貯蓄を十分にしていない例も多く、経済的な行き詰まりにもなりかねません。

プロ選手というアイデンティティーの喪失は、精神的にも大きな打撃となります。現役時代に過剰に注がれていた賞賛やスポットライトから、一気に疎外感を味わうことになるのです。さらに、選手生命が短く終わってしまったことへの喪失感も強くのしかかります。

加えて、長年の努力の行き先が見えなくなることも不安材料です。これまでの人生の目標が一つ潰れた以上、新たな目標設定が必要になります。しかし、分からないことだらけの新しい世界では、一体何を目指して良いのか途方に暮れてしまうでしょう。

スポーツ選手引退後のキャリアチェンジのコツ

ではどうしたらセカンドキャリアを成功させることができるでしょうか?
実際によくある選択肢を見ながら、何が自分に合っているか考えていきましょう!

よくあるセカンドキャリア

プロスポーツ選手の第二の人生は、さまざまな選択肢があります。その中でも、多くの選手が選ぶのが、スポーツに関係するキャリアです。

指導者やコーチへの転身は、比較的スムーズな道のりといえるでしょう。長年の実績とスポーツに関する高い知識があれば、後進の指導に役立つはずです。また、選手時代の経験から、部活動の指導者や学校の顧問などの職種も選択肢に入ります。

解説者やキャスターなど、メディア関係の仕事に就く選手も少なくありません。試合の理解度が高く、話術にも長けているスポーツ選手は、この分野で活躍できるでしょう。

さらに、同じスポーツ界での起業にチャレンジする選手も存在します。フィットネスクラブの経営や、スポーツ用品の販売、スポーツ施設の運営会社を設立するなど、選手時代の経験を活かした事業を立ち上げるケースがあります。

リスクの低いセカンドキャリア

一方で、スポーツとはまったく異なる分野でキャリアを歩む選手の例もあります。この場合のメリットは、スポーツ界の内輪から離れられること。引退後も注目の的となり続けるリスクを回避できるのです。

またその中で営業職は、スポーツ選手の経験を活かせる代表的な職種です。トップセールスの営業マンと呼ばれるように、人前に立つのが得意な選手には向いているといえます。また、自動車の営業なども、元運動選手に人気があるようです。

このように一般企業の社員として勤務するケースも多くあります。企業の中には、スポーツ選手の強い精神力や行動力を買ってくれるところもあり、アスリート採用制度を設けている会社も多くあります。

公務員や教師を目指す選手の例もあります。教員資格を持っている大卒選手は特に教師に向いており、部活動の顧問を任されることが多いでしょう。また、スポーツに関係する公的機関に就職する選手もいます。

起業という選択肢

スポーツ選手の強みを最大限に活かせる選択肢のひとつが、起業です。独立して自由な職業人生を歩むことで、新たな世界へ挑戦できるのがメリットです。

具体的には、フィットネスクラブの経営や個人指導、スポーツ用品の販売など、スポーツに関連した事業がメジャーな例です。過去の経験を活かしつつ、さらに新しい付加価値を生み出すことができます。

起業のハードルは決して低くありませんが、資金力があり、事業展開のノウハウと情熱に溢れるなら、十分にチャレンジする価値は あります。企業に束縛されない自由があり、夢を実現できる可能性も秘めています。

スキルアップで新天地を切り拓く準備を

スポーツと同じで、何よりも準備が大事

スポーツ選手が新しいキャリアを切り拓くためには、着実な準備が欠かせません。スポーツの世界と同様に、一朝一夕にはなれません。自身の将来像をしっかりと見据え、地道な下準備を重ねていく必要があります。

スポーツでは、試合に向けて計画的な練習を積み重ねてきました。食事管理や睡眠管理、怪我予防にも気を配り、試合当日には最高のコンディションで臨めるよう、日々の行動を律していたはずです。

同様に、仕事という「新しい試合」に向けても、それ相応の準備期間を設けるべきです。この準備不足が、スポーツ選手のキャリアチェンジを阻害する大きな要因の一つとなっているのです。

セカンドキャリアに向けた準備を始めよう

それでは、具体的にどのような準備が必要となるのでしょうか。

まず重要なのは、ビジネス全般の基礎知識とマナーを身に付けることです。学生時代から常にスポーツ一筋だった選手は、この点が特に不足がちです。ビジネス書の購読から始め、場合によってはスクーリングを受講するのも効果的でしょう。

次に、転職を視野に入れるならスキルアップが欠かせません。希望する職種に合わせて、資格の取得や職務経験を積むことが望ましいでしょう。例えば一般企業就職を目指す場合は、語学力や事務スキルを磨く必要があるかもしれません。

加えて、自身のセールスポイントをしっかりとアピールできるよう、履歴書やエントリーシートの作成、面接対策にも注力する必要があります。書類選考を通過し、実際に面接で良い印象を残せるかが大切なカギとなります。

もちろん、スポーツ選手の強みを最大限に活かすために、スポーツマンシップやチームワーク、フットワークの軽さなどを強調することも忘れずに。こうした準備を着実にこなせば、あとは実践の場で実力を発揮するだけです。

https://www.athletelinksbiz.site/column/athlete-secondcareer-reserve/

スポーツだけが人生ではない

スポーツ選手は、幼少期からスポーツ一筋に没頭してきた人が多いはずです。その中で、ライフスキルやキャリア教育を受ける機会は限られていたのが実情です。時間と労力のほとんどをスポーツに費やしてきただけに、仕事や人生設計の大切さを学ぶ機会がなかったのかもしれません。

しかし、スポーツに打ち込む期間が長ければ長いほど、スポーツ以外の視点を養うことが大切です。スポーツは一時的な部分に過ぎず、人生の大半はそれ以外の部分で占められているのです。引退後のキャリアに備えるという意識を、常に持ち続けることが重要なのです。

諸刃の刃ですが、一旦スポーツから離れ、新しい視点を得ることで、今後の人生設計を立てやすくなるはずです。スポーツに打ち込んだ経験を無にするのではなく、それを武器に新天地で活躍の場を広げていくことが重要なのです。

前を向いて歩み続ける心構えが何より大切

スポーツ選手が新たなキャリアに挑戦する上で最も大切なのは、心構えと前向きな姿勢です。スポーツ生活から一般社会へ環境が変わっても、スポーツ選手魂を忘れることなく、粘り強く努力を重ねることが欠かせません。

壁にぶつかっても、再チャレンジする気概があれば、必ず道は拓けるはずです。プロ意識と情熱を持ち続けながら、新しい分野に挑戦を続ける。それが、スポーツ選手から職業人への成功する秘訣なのです。

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