こんにちは!私は元々サッカーチームの運営や選手をしていました。
チームにはホペイロ兼マネージャーがいたので、少しだけホペイロについても語りたいと思います。
サッカーチームを運営する上で欠かせない存在でありながら、一般にはあまり知られていないのがホペイロです。ホペイロとは、選手が使用する道具の管理や手入れ、トレーニング用具の準備など、チームを裏で支える縁の下の力持ちとも言える職種。しかし、求人情報には滅多に出てこないため、「ホペイロになるにはどうすればいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
Contents
ホペイロとは何をする仕事?
ホペイロは、サッカーチームにおいて選手をサポートする裏方的な存在です。その仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下のような業務を担当します。
選手が使う道具の管理と手入れ
ホペイロの仕事で最も重要なのが、選手が使用する道具の管理と手入れです。具体的には、以下のような業務が含まれます。
- スパイクの清掃とメンテナンス
- ボールの空気圧チェックと補充
- ゴールネットの設置と修繕
- コーンやマーカーの準備と片付け
選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、道具を常にベストコンディションに保つことがホペイロの使命です。
トレーニング用具の準備と片付け
ホペイロは、トレーニングに必要な用具の準備と片付けも担当します。
- トレーニング前のグラウンド設営
- ゴール、ミニゴールの移動と設置
- トレーニング用具の運搬と管理
- トレーニング後の片付けと清掃
選手がスムーズにトレーニングに取り組めるよう、用具の準備と片付けを手際よく行うことが求められます。
ユニフォームの洗濯と管理
試合で使用するユニフォームの洗濯と管理も、ホペイロの重要な仕事の一つです。
- ユニフォームの洗濯と乾燥
- 番号やネームの付け替え
- 破損した部分の補修
- サイズの管理と在庫チェック
選手がいつでも快適にプレーできるよう、ユニフォームを清潔に保ち、必要に応じて補修やサイズ交換を行います。
ホペイロはなぜ人気なの?
ホペイロという職種は、サッカー好きの間で人気が高まっています。その理由として、以下のような点が挙げられます。
スパイクの手入れが好きな人が多い
サッカー好きの中には、スパイクの手入れを趣味にしている人が少なくありません。自分のスパイクを磨いて手入れすることに喜びを感じる人にとって、ホペイロはまさに天職と言えます。
プロ選手のスパイクを手入れできるのは、ホペイロならではの特権。選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、スパイクを磨き上げる。そんなホペイロの仕事に憧れを抱く人が多いのです。
マネージャーという仕事に憧れもある
中学や高校の部活動で、マネージャーを経験した人も多いでしょう。選手をサポートし、チームを裏で支える仕事に魅力を感じる人にとって、ホペイロはマネージャーの延長線上にある職種と言えます。
「学生時代にマネージャーを経験した。あの時の経験を活かして、プロチームのホペイロになりたい」。そんな思いを抱く人も少なくないのです。
ホペイロという専門職の需要の少なさ
一方で、ホペイロという専門職の需要は決して多くありません。その理由として、以下のような点が考えられます。
専門で雇っているのはJ1でも半分くらい
JリーグのトップカテゴリーであるJ1でも、ホペイロを専門で雇用しているクラブは半数程度と言われています。多くのクラブでは、ホペイロの業務をコーチやトレーナーが兼任しているのが実情です。
予算の限られる下部カテゴリーのクラブでは、なおさらホペイロを専門で雇用するのは難しい。そのため、ホペイロの求人自体が少ないのです。
サッカーチームもそもそも少ない
そもそも、日本国内のサッカーチーム自体の数が限られています。Jリーグ加盟クラブは現在60チーム程度。都道府県リーグを含めても、全国でプロ・セミプロのチーム数は100チームに満たないでしょう。
野球やバスケットボールに比べると、サッカーチームの絶対数が少ないことも、ホペイロの需要が限定的である理由の一つと言えます。
ホペイロと兼業する道
ホペイロの求人が少ない現状では、ホペイロを専門で目指すのは難しいかもしれません。そこで、ホペイロ業務と他の仕事を兼任するのが現実的な選択肢となります。
ホペイロとチームのマネジメントと兼任
ホペイロ業務とチームのマネジメントを兼任するケースが最も多いでしょう。具体的には、以下のような組み合わせが考えられます。
- 総務・経理などの事務作業
- マーケティング・営業活動
- メディア対応・広報業務
ホペイロ業務の傍ら、チームの運営に関わる仕事を担当する。そうすることで、ホペイロの仕事を続けながら、チーム運営のノウハウも身につけることができます。
ホペイロとコーチとの兼任
ホペイロ業務とコーチを兼任するケースも少なくありません。
- フィジカルコーチ
- GKコーチ
- アカデミーコーチ
選手の指導に直接携わることで、ホペイロとしての専門性を高めることができます。また、コーチとしてのキャリアを積むことで、将来的にはトップチームのコーチを目指すことも可能でしょう。
ホペイロとトレーナーとの兼任
ホペイロ業務とトレーナーを兼任するのも一つの選択肢です。
- フィジカルトレーナー
- アスレティックトレーナー
- メディカルトレーナー
選手のコンディショニングや怪我の予防・治療に関わることで、より専門的な知識を身につけることができます。将来的には、メディカルスタッフとしてのキャリアを積むことも可能でしょう。
運営スタッフ、営業との兼任
ホペイロとして働くには、運営や営業の仕事と兼業することも選択肢の一つです。その具体例として、次のようなものが考えられます。
- チケットの販売や広報活動
- スポンサー企業との渉外業務
- ファン・サポーターとの交流イベントの企画・運営
これらの仕事を通じて、ビジネス面でのスキルを身につけることができるでしょう。また、チームの収益向上に直接貢献できるのも、大きなやりがいになるはずです。
ホペイロの一日の仕事内容
それでは、ホペイロの一日の仕事内容を具体的に見ていきましょう。
朝のグラウンド準備と道具チェック
ホペイロの一日は、朝早くからスタートします。
- グラウンドの芝の状態をチェック
- ゴールネットの設置と点検
- コーン、ポール、ミニハードルなどの準備
- ボールの空気圧チェックと補充
- 選手のスパイク、すね当てなどの点検
選手がトレーニングを始める前に、グラウンドと道具を万全の状態にするのがホペイロの仕事です。
選手のサポートとトレーニング補助
トレーニングが始まると、ホペイロは選手のサポートに回ります。
- 選手への水分補給
- トレーニング中の道具の補充・交換
- ビブスの配布と回収
- ボールの回収と供給
トレーニングを効率的に進められるよう、選手をサポートするのがホペイロの重要な役割です。
夜のミーティングと翌日の準備
トレーニングが終了した後は、ミーティングと翌日の準備が待っています。
- コーチ陣とのミーティングへの参加
- 道具の片付けとメンテナンス
- ユニフォームの洗濯と管理
- 翌日のトレーニング内容の確認と準備
選手が帰宅した後も、ホペイロの仕事は続きます。翌日に向けて、万全の準備を整えておくことが求められるのです。
有名ホペイロ松浦さんにより有名になった
近年、ホペイロという職種が注目を集めるようになったのは、「ホペイロ松浦」こと松浦紀典氏の存在が大きいと言えるでしょう。
松浦氏は、Jリーグの名古屋グランパスや川崎フロンターレでホペイロを務めた人物。選手から厚い信頼を寄せられ、チームの勝利に大きく貢献しました。日本人初のプロホペイロとして、マスメディアに取り上げられ、ホペイロが一躍人気となりました。
松浦氏の活躍によって、ホペイロという職種の重要性が広く認知されるようになりました。「縁の下の力持ち」としてチームを支える ホペイロの仕事に、多くの人が憧れを抱くようになったのです。
プロ・ホペイロ松浦紀典さんインタビュー「コンディショニングは身体だけではない。スパイクのケアにこそ最高の準備を」
チームスタッフから目指してみてください
ホペイロを目指すには、サッカーチームのスタッフからスタートするのが近道だと私は考えます。
コーチやトレーナー、あるいは運営スタッフとして経験を積み、徐々にホペイロ業務に近づいていく。そうすることで、ホペイロに必要なスキルやノウハウを着実に身につけることができるでしょう。
「いきなりホペイロを目指すのは難しい」という現状がある以上、スタッフからキャリアをスタートさせるのが賢明だと言えます。
サッカーチームの運営に携わることで、ホペイロとしてのスキルを磨いていく。そんなアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。
以上、ホペイロという職種の魅力と、ホペイロを目指すための道筋について解説しました。
プロのサッカー選手を間近で支えられるホペイロ。その仕事に就くのは簡単ではありませんが、サッカーへの情熱があれば、必ず道は開けるはずです。
本記事を参考に、ホペイロを目指す道を模索してみてください。
ホペイロになって、憧れのサッカー選手を支える。そんな夢を、ぜひ現実のものにしてください!