サッカーファンなら誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。
ユニフォームに大きく印刷された企業ロゴ。そう、これがサッカーチームのスポンサーです。
でも、スポンサーってそもそも何なのでしょうか?
どんな役割を担っているのでしょうか?
元サッカー選手で、チーム運営、スポンサー営業をしていた筆者が、相場や営業までわかりやすく徹底解説します!
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サッカーにおけるスポンサーの役割
そもそもスポンサーってなんのためにいるのか?、スポンサーの側(応援する企業)のメリットは下の記事を見てみてください!
スポンサーがチームを支える重要性
サッカーにおいて、スポンサーはチームの運営を支える重要な存在です。スポンサー企業からの資金提供は、選手の獲得や育成、施設の維持・改善など、チームの競争力を高めるために欠かせません。
また、スポンサーはチームの安定的な運営を可能にする役割も担っています。テレビ放映権料や入場料収入は、成績によって大きく変動する可能性がありますが、スポンサー料は比較的安定した収入源となります。
スポンサーシップの種類
サッカーのスポンサーシップには、主に以下のような種類があります。
- メインスポンサー:ユニフォームの胸部分に企業ロゴを掲出するスポンサー。最も高額な契約となる。
- 袖スポンサー:ユニフォームの袖部分に企業ロゴを掲出するスポンサー。
- 背中スポンサー:ユニフォームの背中部分に企業ロゴを掲出するスポンサー。
- トレーニングウェアスポンサー:練習時に着用するウェアに企業ロゴを掲出するスポンサー。
- スタジアム命名権:ホームスタジアムの命名権を取得するスポンサー。
各スポンサーシップにはそれぞれ特徴があり、企業は自社のニーズや予算に合わせて最適な種類を選択します。
スポンサー契約の仕組み
スポンサー契約にあたり、どのような流れで契約に至るのか解説します。
細かい仕組みや、詳細は別記事を読んでみてください!
スポンサー契約の流れ
サッカーチームとスポンサー企業の契約は、以下のような流れで進められるのが一般的です。
- チームの営業担当者が、スポンサー候補企業に提案書を提出する。
- 企業側で検討し、契約条件や金額などを交渉する。
- 契約書を作成し、双方が署名・捺印する。
- 契約期間中、チームはスポンサーの宣伝活動を行い、企業はスポンサー料を支払う。
- 契約期間終了後、更新の是非を判断する。
スポンサー契約では、掲出場所や掲出サイズ、宣伝活動の内容など、詳細な取り決めがなされます。チームにとって有利な条件を引き出すためには、営業担当者の交渉力が問われます。
スポンサー料は広告宣伝費として「企業」に支払ってもらいます
契約期間と更新について
スポンサー契約の期間は、1年から数年と幅があります。チームにとっては、長期契約が安定した収入を保証してくれるメリットがあります。一方、企業側は市場の変化に合わせて柔軟に契約を見直したい場合もあるでしょう。
契約更新の際は、契約期間中のスポンサー効果を検証し、次期の契約金額や条件を交渉します。チームの成績やメディア露出の増加などにより、スポンサー価値が上がれば、より高額な契約を結ぶチャンスとなります。
スポンサー料の相場と金額を決定する要因
どのように金額は決められているのでしょうか?
チームによって金額は変わってくると言われていますが、基本的にはチームの露出度、スポンサー掲出箇所によって変わってきます。
スポンサー料の決定要因
サッカーチームのスポンサー料は、以下のような要因によって決定されます。
- チームの人気と知名度:ファンが多く、メディア露出の高いチームほど高額なスポンサー料を得られる。
- 競技成績:タイトルを獲得するなど、好成績を収めるチームは高いスポンサー価値を持つ。
- 所属リーグのレベル:プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラなど、人気リーグに属するチームは高いスポンサー料を期待できる。
- スタジアムの規模と立地:大規模で交通アクセスの良いスタジアムを持つチームは、スポンサー価値が高い。
- 地域特性:地元企業が積極的にスポンサードに参加する地域もある。
これらの要因を総合的に判断し、チームとスポンサー企業との交渉によって最終的な金額が決まるのです。
チームの人気とスポンサー料の関係
チームの人気は、スポンサー料に大きな影響を与えます。人気チームほど、多くのファンやメディアの注目を集めるため、スポンサー企業にとっての宣伝効果が高いのです。
例えば、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドは、世界中に膨大なファンを持つ人気チームです。同チームの胸スポンサーを務めるシボレーは、年間6,000万ポンド(約90億円)という高額のスポンサー料を支払っていると報じられています。
一方、地域リーグなどで競技レベルが低く、知名度の低いチームの場合、スポンサー料は限定的なものにとどまる傾向にあります。数十万から数百万にとどまることがほとんどです。
「日本が国際サッカー界に影響力を持つチャンスが訪れた」――元FIFAコンサルタント・杉原海太が語る、Jリーグ2024シーズンの“ビジネス”プレビュー
世界的に有名なサッカーチームのスポンサー事例と相場
レアル・マドリードのスポンサー
スペイン・リーガ・エスパニョーラの名門チーム、レアル・マドリードのスポンサーには、以下のような企業が名を連ねています。
- メインスポンサー:HP
- ユニフォームサプライヤー:アディダス
レアル・マドリード、史上初の袖スポンサーにPC大手『HP』…年間約112億円の契約か多様な業種の世界的企業とのパートナーシップを結んでいますが現在HPが112億円出していると言われています
マンチェスター・ユナイテッドのスポンサー
イングランド・プレミアリーグの人気チーム、マンチェスター・ユナイテッドのスポンサーは次の通りです。
- メインスポンサー:チーム・ビューア(ITソフトウェア会社)
- キットサプライヤー:アディダス
FCバルセロナのスポンサー
スペイン・リーガ・エスパニョーラの名門チーム、FCバルセロナのスポンサー企業は以下の通りで
- メインスポンサー:楽天がやってる時代もありました。
- キットサプライヤー:ナイキ
その他、インテル、ジョーダン、スタンレー・ブラック&デッカーなどの企業がパートナーとなっています。
Jリーグチームのスポンサー事例と相場
浦和レッズのスポンサー
Jリーグの人気チーム、浦和レッズのスポンサーには、以下のような企業が名を連ねています。
- 胸スポンサー:ポラス(不動産開発会社)
- 袖スポンサー:三菱モータース
地元企業を中心に、金融、不動産、製薬、食品など多様な業種のスポンサーを獲得しているのが特徴です。
全体で42億2300万円のスポンサー収入を得ています
23年度スポンサー収入ランキング、前年比大幅増の町田が鹿島や神戸を上回る
鹿島アントラーズのスポンサー
Jリーグの強豪チーム、鹿島アントラーズのスポンサー企業は次の通りです。
- 胸スポンサー:LIXIL
- 鎖骨スポンサー:メルカリ
リクシルやメルカリなど全国商圏の大企業による出資が見て取れますが、全体で24億1800万円を得ています。
23年度スポンサー収入ランキング、前年比大幅増の町田が鹿島や神戸を上回る
スポンサーがチームにもたらすメリット
スポンサー収入がなければサッカーチームの運営は難しいと思います。大抵のチームは7割から8割がスポンサー収入あり、スポンサーによっては、チームが崩壊、解散することもあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/FC神楽しまね
↑2023年リーグ開幕前に解散となったチーム。
資金面でのサポート
スポンサーは、チームの財政基盤を支える重要な役割を果たしています。スポンサー料は、選手の獲得や育成、施設の維持・改善など、チームの競争力を高めるために不可欠な資金となります。
特に、高額な移籍金が必要とされる海外の有力選手の獲得には、スポンサー料が大きく貢献しています。
ブランディングと知名度の向上
スポンサー企業は、チームとの提携を通じて自社のブランディングを図ることができます。ユニフォームや看板などへのロゴ掲出により、企業の知名度や好感度の向上が期待できるのです。
また、チームの活躍によって、スポンサー企業も注目を集めることになります。メディアでチームが取り上げられる際に、スポンサー企業も露出を得られるのです。
一方、チームにとっても、有名企業とのスポンサー契約は、チームの社会的信用や知名度の向上につながります。強力なスポンサーを獲得することで、チームのブランド価値が高まるのです。
サッカーチームとスポンサーの未来
サッカーに限らずスポーツ全体がエンタメ業界の一つとして位置付けられると筆者は思っております。
その中で、スポンサーの多様化、ただ広告としてもらうだけじゃないスポンサーの新しい形が必要になってくると考えます。
スポンサーシップの多様化
近年、サッカーのスポンサーシップは多様化の傾向にあります。ユニフォームへのロゴ掲出だけでなく、スタジアムの命名権、トレーニング施設のネーミングライツなど、様々な形でのスポンサー契約が増えています。
また、オフィシャルパートナー、オフィシャルサプライヤーなど、多層的なスポンサーカテゴリーを設定するチームも増えています。企業は自社のニーズや予算に合わせて、最適なスポンサーシップを選択できるようになっています。
デジタル化に伴う新たなスポンサーシップの可能性
ITの発展に伴い、デジタル領域でのスポンサーシップが拡大しています。チームの公式ウェブサイトや公式SNSアカウントを活用した広告掲載など、新たなスポンサー価値の提供が可能になっています。
さらに、スタジアムの大型ビジョンを使ったバーチャル広告など、AIやデジタル技術を活用した革新的なスポンサーシップの登場も期待されます。
サッカーというコンテンツの価値が高まる中で、チームとスポンサーの新たな関係性が生まれようとしています。デジタル化の波を捉えながら、Win-Winの関係を築いていくことが、サッカーチームとスポンサー双方の発展につながるのです。
まとめ
いかがでしたか?サッカーにおけるスポンサーの重要性や仕組みについて、理解が深まったのではないでしょうか。 スポンサー企業は、資金面だけでなく、ブランディングや知名度向上の面でもチームを支えています。一方、チームはスポンサーの支援によって、競争力を高め、ファンにより良い環境を提供できるのです。
サッカーチームとスポンサーの関係は、互恵的なWin-Winの関係だと言えるでしょう。
また、スポンサーシップの形態は多様化しつつあります。デジタル技術の発展に伴い、新たなスポンサーシップの可能性も広がっています。
サッカーの発展に欠かせないスポンサーシップ。その重要性は今後ますます高まっていくことでしょう。チームとスポンサーがどのように手を取り合い、共に成長していくのか。そのパートナーシップの行方に注目が集まります。
サッカーファンの皆さん、次にスタジアムでお気に入りのチームを応援する際は、ユニフォームのスポンサーロゴにも注目してみてください。そこには、チームを支える企業の想いが込められているのですから。
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