サッカーを始めたばかりの方、もしくはサッカーが上手くなりたいと思っている方へ。この記事では、元プロサッカー選手で、サッカーチームのアカデミー事業部長を務めた経験を持つ筆者が、サッカー初心者が上達するための方法を詳しく解説します。
また序盤は少し体育会系な精神論が入ってきますので、「わかってるわ!」という方は読み飛ばしていただいて結構です。笑
また、筆者談なのですが、最近アオアシにハマってます。一番サッカーについて詳しく書いていて、トレーニングに勝るわけではないですが、上手くなるための道筋の理解や、モチベーションを保つためにも良い漫画と言えると思います。親や大人にこそ読んでもらいたい作品です。ぜひ。笑
Contents
サッカー初心者が上達するための心構え
サッカーで上達するためには、適切な心構えが不可欠です。技術や体力以前に、正しいマインドセットを持つことが重要です。
継続は力なり:毎日の練習の重要性・たくさんボールに触れる
ぶっちゃけ本当にこれに限ります。足でボールを触るという日常生活とは離れたスポーツですので、足を使ってボールを蹴る、止める、運ぶという動作が抵抗なくできる必要があります。
- 毎日15分でもボールに触れる習慣をつける
- 週に3回以上、1時間程度の本格的な練習を行う
- 練習の質と量のバランスを意識する
「たくさんボールに触れる」ことの重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。例えば、以下のような方法で日常的にボールに触れる機会を増やしましょう:
- 自宅前や公園でリフティングやジンガトレーニングなど
- 自宅でテレビを見ながらボールを足で転がす
- 家の前で少しのパス練習
下の練習は家の前でできて、上手くもなれるので参考にしてみてください。
ゆっくりで良いので、滑らかにできるように。
失敗を恐れない:チャレンジ精神の育成
サッカーの上達には、失敗を恐れないチャレンジ精神が欠かせません。
- 新しい技術に挑戦する勇気を持つ
- 失敗を学びの機会と捉える前向きな姿勢を持つ
- 「できない」ではなく「まだできない」という意識を持つ
例えば、難しいドリブル技術に挑戦して失敗しても、その経験が次につながります。失敗を恐れずに挑戦し続けることで、技術の幅が広がっていきます。
観察力を養う:プロの試合から学ぶ
上手くなるためには、優れた選手のプレーを観察、全体の戦略観を養う時間が重要です。
これは子供の時から癖にしておいた方が良いし、時代の中で「tiktok」や「Youtube」など簡単にみたい部分を見れてしまうからこそ、全体を通して見ることを癖にすることが大事です。
- テレビやスタジアムでプロの試合を観戦する
- 好きな選手のプレースタイルを研究する
- 観戦後、印象に残ったプレーを実践してみる
最初はメッシのドリブル、クリスティアーノ・ロナウドのシュート、デ・ブライネのパスなど、世界トップクラスの選手のプレーを観察し、その動きや技術を自分のプレーに取り入れていくことで楽しくサッカーを見れるように。
その後は全体通してみれるように、好きなチームを作るとか、試合会場で楽しく見るとか、90分フルタイムでみれるように工夫していくと、楽しく見れるでしょう!
基本技術の習得:ボールコントロール
サッカーの基本中の基本は、ボールコントロールです。ボールを自在に操れるようになることが、サッカー上達の第一歩となります。
ひたすらリフティングとドリブルでいい
初心者段階では、リフティングとドリブルに集中して練習することをおすすめします。
リフティング練習:
- まずは2回→5回→10回と目標を設定
- 利き足だけでなく、両足でのリフティングに挑戦
- 膝や頭を使ったリフティングにも挑戦
ドリブル練習:
- コーンなどを使ったジグザグドリブル
- 壁を使った反復練習
- スピードを変えてのドリブル練習
これらの練習を毎日15分でも行うことで、ボールコントロール力が飛躍的に向上します。
トラップの種類と上達のコツ
ボールを受ける技術であるトラップも、サッカーの基本技術として非常に重要です。
とはいえ、リフティングとドリブルができていれば、問題なくできるかと思います。
主なトラップの種類:
- インサイドトラップ
- アウトサイドトラップ
- 胸トラップ
- 太もものトラップ
- 頭のトラップ
トラップ上達のコツ
- 「ボールを柔らかく受け止める」イメージを持つ
- 接点の瞬間、体の一部を引く動作を意識する
- 様々な高さ、スピードのボールでトラップの練習を行う
例えば、壁に向かってボールを蹴り、跳ね返ってきたボールをトラップする練習を繰り返すことで、多様なトラップ技術を身につけることができます。
下記はフロンターレの田中碧選手の自主練習のもので、一時期とても流行った練習です。
多くのプロ選手がこの自主練に取り組んでいましたね。
https://youtu.be/YO37YsQmtYQ?si=czb2A4-H88dfLMcW
パスとシュートの精度を高める
ボールコントロールの次に重要なのが、パスとシュートの技術です。これらの技術を磨くことで、試合での貢献度が大きく向上します。
ここは本当にたくさん蹴り込むしかありません。プロ選手でもシュート練習とパス練習を自主練に取り込む人が多いのは、無思考に、感覚的にできるまでやるという意識からだと思ってます。
正確なパスを出すための練習ドリル
正確なパスは、チームプレーの要となる重要なスキルです。
パス練習のドリル例:
- 壁パス:壁に向かって様々な強さでパスを出し、跳ね返ってきたボールをコントロール
- 的当て:地面や壁に的を設置し、その的を狙ってパス
- 2人組パス:様々な距離、角度でパスの交換
パスの精度を上げるコツ:
- ボールのどこを蹴るかを意識する(中心よりやや下を蹴ると低いパスが出せる)
- 軸足の位置とボールとの距離を適切に保つ
- パスを出した後のフォロースルーを意識する
シュート力を上げるためのトレーニング方法
ゴールを決める喜びは、サッカーの醍醐味の一つです。シュート力を上げるためのトレーニングを紹介します。
シュート練習の方法:
- 「壁シュート」:壁に向かって様々な角度、距離からシュート
- 「ワンタッチシュート」:味方からのパスを直接シュート
- 「ターンシュート」:背中を向けた状態から素早くターンしてシュート
シュート力アップのコツ:
- インパクトの瞬間、足首を固定する
- 体の軸をぶらさない
- シュートの後は必ずゴールを見る(シュートの精度向上につながる)
状況判断力を磨く:パスorシュート?
試合中の状況判断力を磨くことも、サッカー上達には欠かせません。
状況判断力を磨くための練習:
- ミニゲームでの実践(3対3や5対5など)
- ビデオ分析(プロの試合を見て、選手の判断を観察)
- イメージトレーニング(様々な状況を想定し、頭の中でプレーをシミュレーション)
状況判断のポイント:
- 周囲の選手の位置を常に確認する
- 相手ディフェンスの位置と動きを読む
- 味方の動きを予測する
例えば、「ゴール前でボールを受けた時、シュートを打つべきか、味方にパスを出すべきか」といった判断を瞬時にできるようになることが重要です。
フィジカルを向上する
サッカーは激しい運動量を必要とするスポーツです。技術だけでなく、体力や身体能力の向上も不可欠です。
サッカーに必要な持久力トレーニング
90分間走り続けることができる持久力は、サッカー選手にとって基本中の基本です。
持久力トレーニングの例:
- ロングジョギング(30分~60分)
- インターバル走(ダッシュと軽いジョギングを繰り返す)
- サーキットトレーニング(複数の種目を休憩なしで行う)
持久力向上のコツ:
- 徐々に運動時間や強度を上げていく
- 週に2~3回のペースで継続的に行う
- 適切な休養と栄養摂取を心がける
スピードと瞬発力を鍛える方法
サッカーでは、瞬間的なスピードと瞬発力も重要です。
スピード・瞬発力トレーニングの例:
- 短距離ダッシュ(10m、20m、30mなど)
- ジグザグダッシュ
- ジャンプ系トレーニング(垂直跳び、ボックスジャンプなど)
スピード・瞬発力向上のコツ:
- 質の高い短時間のトレーニングを心がける
- 十分なウォーミングアップを行う
- トレーニング後のケアを忘れずに
例えば、「10mダッシュを5本、30秒の休憩を挟んで行う」といったトレーニングを週2回程度取り入れることで、スピードと瞬発力の向上が期待できます。
チーム戦術の理解
個人の技術向上と同時に、チーム戦術の理解も深めていくことが重要です。
各ポジションの基本的な動き方
サッカーの各ポジションには、それぞれ特有の役割と動き方があります。
主なポジションとその役割:
- フォワード(FW):得点を取ることが主な役割
- ミッドフィールダー(MF):攻撃と守備をつなぐ役割
- ディフェンダー(DF):相手の攻撃を防ぐ役割
- ゴールキーパー(GK):最後の砦として得点を防ぐ役割
例えば、フォワードの基本的な動きとしては:
- ディフェンスラインの裏へ抜け出す動き
- ポストプレー(背中をゴールに向けてボールを受ける)
- 相手DFを引き付けてスペースを作る動き
などが挙げられます。自分のポジションの基本的な動きを理解し、練習で意識的に取り入れていくことが大切です。
試合観戦から学ぶチーム戦術:ボール以外を見る技術
試合観戦は、チーム戦術を学ぶ絶好の機会です。特に、ボール以外の動きに注目することが重要です。
試合観戦で注目すべきポイント:
- ボールを持っていない選手の動き
- チームの攻撃、守備の形
- ボールの奪取後、喪失後の素早い切り替え(何をしているか?)
例えば、あるチームが攻撃している場面で、ディフェンダーがどのように位置取りをしているか、ボールを持っていない攻撃側の選手がどのようにスペースを作り出しているかなどを観察することで、チーム戦術への理解が深まります。
個人戦術の理解
チーム戦術と並んで重要なのが、個人戦術です。個人戦術とは、試合中の状況に応じて、個人がどのように判断し、行動するかということです。
ボールのないところで何をするか?
サッカーでは、ボールを持っていない時間の方が圧倒的に長いです。そのため、ボールを持っていない時の動きが非常に重要になります。
ボールを持っていない時の動きの例:
- スペースへの走り込み
- デコイ(おとり)の動き
- ポジショニングの調整
例えば、味方がボールを持っている時、単に受けに行くだけでなく、「相手DFを引き付けてスペースを作る」「味方の次のパスコースを作る」といった意図を持った動きをすることが大切です。
どんなイメージをして、どんな動きをするか?
サッカーではプレーの先を想像し、イメージすることが非常に重要です。
効果的なイメージトレーニングの方法:
- 試合前や練習前に、成功するプレーを頭の中で再生する
- 実際の試合場面を想定し、どのような動きをするか考える
- プロ選手のプレーを観察し、自分ならどう動くか想像する
例えば、「ボールを受けたら、まず顔を上げて味方の位置を確認し、パスかドリブル突破かを判断する」というイメージを持つことで、実際の試合でも冷静な判断ができるようになります。
動きの例:
- 「ターンしてシュート」のイメージを持ちながら、背中でボールを受ける
- 「ワンタッチパス」を想定して、パスを受ける前から次のパス先を探す
- 「オーバーラップ」を意識し、味方がボールを持った瞬間から前へ駆け上がる
自己分析と目標設定の方法
継続的な成長のためには、自己分析と明確な目標設定が欠かせません。
効果的な自己分析と目標設定の手順:
- 現状の技術レベルを客観的に評価する
- 短期目標(1ヶ月)、中期目標(半年)、長期目標(1年以上)を設定する
- 目標達成のための具体的な行動計画を立てる
- 定期的に進捗を確認し、必要に応じて目標や計画を調整する
例えば:
- 短期目標:「リフティングを100回続ける」
- 中期目標:「試合で5回以上シュートを打つ」
- 長期目標:「レギュラーポジションを獲得する」
自己分析のポイント:
- 試合や練習を録画し、客観的に自分のプレーを観察する
- チームメイトやコーチからフィードバックをもらう
- 得意なプレーと苦手なプレーを明確にする
怪我の予防とコンディショニング
サッカーでの上達には、怪我の予防と適切なコンディショニングが不可欠です。怪我により練習や試合から離れることは、上達の大きな妨げとなります。
ウォーミングアップとクールダウンの重要性
適切なウォーミングアップとクールダウンは、怪我の予防と体調管理に非常に重要です。
効果的なウォーミングアップの手順:
- 軽いジョギング(5-10分)
- ダイナミックストレッチ(腕や脚を大きく動かす)
- サッカー特有の動き(軽いドリブル、パス、シュートなど)
クールダウンの重要性:
- 筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促進
- 次の練習や試合に向けてコンディションを整える
例えば、練習や試合後に10-15分程度の軽いジョギングとストレッチを行うことで、疲労回復が促進され、翌日以降のパフォーマンス向上につながります。
適切な栄養摂取とリカバリーの方法
パフォーマンス向上と怪我の予防には、適切な栄養摂取とリカバリーが欠かせません。
サッカー選手に重要な栄養素:
- 炭水化物:エネルギー源として重要
- タンパク質:筋肉の修復と成長に必要
- ビタミンとミネラル:体調管理と怪我の予防に重要
効果的なリカバリー方法:
- 練習や試合直後に炭水化物とタンパク質を含む軽食を摂る
- 十分な水分補給を心がける
- 質の高い睡眠を確保する(7-9時間/日)
例えば、練習後にバナナとプロテインシェイクを摂取することで、素早く栄養を補給し、回復を促進することができます。
まとめ:サッカー初心者が上手くなるための道のり
サッカーで上達するためには、技術、体力、戦術、メンタルなど、多角的なアプローチが必要です。この記事で紹介した方法を実践することで、確実にスキルアップを図ることができるでしょう。
重要なポイント:
- 継続的な練習:毎日ボールに触れる習慣をつける
- 基本技術の習得:ボールコントロール、パス、シュートの精度を高める
- フィジカルの向上:持久力、スピード、瞬発力を鍛える
- 戦術の理解:チーム戦術と個人戦術の両方を学ぶ
- メンタル面の強化:チャレンジ精神を持ち、失敗を恐れない
- 怪我の予防:適切なウォーミングアップとコンディショニング
サッカーの上達には時間がかかりますが、日々の小さな積み重ねが大きな成長につながります。焦らず、楽しみながら継続的に取り組むことが、上達への近道となるでしょう。
最後に、サッカーは「個人競技」であると同時に「チームスポーツ」です。個人の技術向上に励むと同時に、チームメイトとのコミュニケーションを大切にし、チーム全体の成長にも貢献していくことが、真のサッカー選手としての成長につながります。
この記事を参考に、あなたのサッカー人生がより充実したものになることを願っています。さあ、今日からさっそく実践してみましょう!