スポーツビジネス

スポンサーシップとは?向いてる企業や、仕組み、効果を上げる媒体までビジネスやスポーツ事例をご紹介

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企業がブランド価値を高め、認知度を向上させる手法の一つに、スポンサーシップがあります。イベントや団体、個人などを支援することで、支援先の持つポジティブなイメージを自社に転移させる効果が期待できるのです。

しかし、スポンサーシップには様々な種類があり、効果的な活用には戦略が欠かせません。本記事では、スポンサーシップの基本的な仕組みから、向いている企業の特徴、効果を高める媒体の選び方まで、詳しく解説します。また、スポーツやビジネスの世界で成功を収めた事例も紹介。スポンサーシップの可能性と、その戦略的な活用方法について理解を深めていきましょう。

Contents

スポンサーシップとは?

イベント、チーム、個人、会社、メディアなどの様々な媒体や団体に対して、お金や物品を提供することを指します。何か近々で見返りがあるわけではなく、広告効果や、紹介、バナー掲示として支払ってもらう場合がほとんどです。

スポンサーシップの定義と目的

スポンサーシップとは、企業がイベントや団体、個人などの活動を支援し、その見返りとして宣伝効果を得る手法のことを指します。支援の対象は、スポーツ、文化、芸術、社会貢献活動など、多岐にわたります。

スポンサーシップの目的は、主に以下の3つが挙げられます。

  1. ブランドイメージの向上
  2. 認知度の拡大
  3. ターゲット層とのつながりの強化

支援先の持つポジティブなイメージを、自社ブランドに転移させることで、企業イメージの向上が期待できるのです。

スポンサーシップとメセナの違い

スポンサーシップと似た概念に、メセナがあります。メセナとは、企業が文化・芸術活動を支援することを指します。スポンサーシップとの大きな違いは、見返りを求めない点にあります。

メセナは、企業の社会貢献活動の一環として行われます。支援先の活動を通じて、文化の発展や社会の向上に寄与することが目的です。一方、スポンサーシップは、あくまでも宣伝効果を期待した活動と言えるでしょう。

スポンサーシップの種類

スポンサーシップには、様々な種類があります。主なものは以下の通りです。

  1. スポーツスポンサーシップ:スポーツイベントやチーム、選手への支援。
  2. 文化・芸術スポンサーシップ:音楽イベントや美術展、映画祭などへの支援。
  3. 社会貢献スポンサーシップ:環境保護活動やチャリティーイベントへの支援。
  4. ビジネススポンサーシップ:展示会やカンファレンスなどへの支援。

それぞれの特性を理解し、自社のブランド戦略に合った種類を選ぶことが重要です。

スポーツスポンサーマーケティング 

スポーツスポンサーマーケティングは、スポーツイベントやチーム、選手に対するスポンサーシップを活用したマーケティング手法を指します。 企業は、スポーツの持つポジティブなイメージや、選手の人気、イベントの注目度などを活用し、自社ブランドの宣伝を図ります。具体的には、以下のような活動が行われます。

  • 選手や監督へのユニフォームや用具の提供スタジアムや会場での広告掲出イベントやチームとのタイアッププロモーション
スポーツは、老若男女問わず広く親しまれており、テレビ中継などを通じて大きな注目を集めます。そのため、スポーツスポンサーシップは、幅広い層へのリーチが可能というメリットがあります。 近年は、オリンピックやワールドカップなど、世界的なスポーツイベントへのスポンサーシップも活発化しています。グローバルブランドの確立を目指す企業にとって、魅力的な機会となっているのです。

スポンサーをするメリットとは?

ブランディング向上、企業のCSRとしての価値

スポンサーシップは、企業のブランドイメージ向上に大きく貢献します。支援先の持つポジティブなイメージが、スポンサー企業に転移することで、企業の好感度アップが期待できるのです。

特に、社会貢献活動や文化・芸術イベントへのスポンサーシップは、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みとしても評価されます。社会の課題解決に貢献する姿勢をアピールすることで、ステークホルダーからの信頼獲得につながるでしょう。

認知拡大、広告としての価値

イベントや団体への支援を通じて、メディアでの露出機会が増加します。新聞や雑誌、テレビなどで取り上げられることで、企業名や商品・サービスの認知度向上が見込めます。

また、イベント会場での看板掲出やサンプリング、タイアップ広告など、直接的なプロモーションも可能です。支援先のファンや参加者に対して、効果的にアプローチできるのです。

スポンサー同士の交流:コミュニティとしての価値

同じイベントや団体を支援する企業同士の交流も、スポンサーシップの大きなメリットです。業種や規模を超えた企業間のつながりが生まれることで、新たなビジネスチャンスの創出や、情報交換の場としても活用できます。

イベントの打ち上げやスポンサー交流会など、様々な機会を通じて、スポンサー企業同士の絆を深められるのです。こうしたコミュニティとしての価値は、スポンサーシップならではの魅力と言えるでしょう。

スポンサーシップの仕組みと流れ

スポンサー契約の成立プロセス

スポンサー契約の成立には、以下のようなプロセスを経るのが一般的です。

  1. スポンサー候補企業の選定 イベント主催者や団体、選手などが、スポンサーシップの対象となる企業をリストアップします。企業の業種やブランドイメージ、支援の期待値などを考慮し、最適な候補を選びます。
  2. 企業へのスポンサーシップ提案 候補企業に対して、スポンサーシップの提案書を提出します。支援の内容や金額、宣伝効果など、具体的な条件を提示します。
  3. 交渉と契約締結 企業側で提案内容を検討し、条件の交渉を行います。合意に至れば、スポンサーシップ契約を締結します。
  4. スポンサーシップの実施 契約に基づき、企業は支援金の提供や、広告・宣伝活動を実施します。イベント主催者や団体は、約束した宣伝効果を提供します。

スポンサー料の決定方法

スポンサー料の金額は、支援先の価値や知名度、提供される宣伝効果などを総合的に判断して決定されます。主な決定方法には以下のようなものがあります。

  1. 市場価値に基づく方法 過去の類似事例を参考に、市場相場を踏まえて金額を決めます。
  2. 広告換算による方法 スポンサーシップによって得られる宣伝効果を、広告費用に換算して金額を算出します。
  3. 個別交渉による方法 支援先と企業が個別に交渉を行い、双方が合意できる金額を決定します。

スポンサー料は、支援の規模や内容によって大きく異なります。トップアスリートやビッグイベントになるほど、高額になる傾向にあります。

スポンサーシップ契約の内容と期間

スポンサーシップ契約では、支援の内容や期間、金額などが取り決められます。主な契約内容は以下の通りです。

  • 支援金の金額と支払い方法
  • 広告・宣伝活動の内容と期間
  • 契約期間と更新条件
  • 権利や義務、禁止事項など

契約期間は、単発のイベント支援から、数年にわたる長期契約まで様々です。オリンピックのような大型イベントでは、4年以上の長期契約が一般的です。

一方、契約期間が短いと、十分な宣伝効果が得られないリスクがあります。スポンサーシップの目的に合わせて、最適な契約期間を設定することが重要です。

スポンサーシップに向いている企業の特徴

ブランドイメージの向上を目指す企業

スポーツや文化イベントへの支援を通じて、ブランドイメージの向上を図りたい企業に、スポンサーシップはおすすめです。支援先の持つポジティブなイメージを、自社ブランドに転移させることができます。

例えば、環境保護活動を支援することで、エコフレンドリーな企業としてのイメージ構築が期待できるでしょう。

ターゲット層とのつながりを求める企業

自社商品やサービスのターゲット層と、支援先のファン層が重なる企業には、スポンサーシップが有効です。支援を通じて、ターゲット層とのつながりを深められます。

例えば、ランニング用品メーカーがマラソン大会のスポンサーになれば、ランナー層への直接的なアプローチが可能になります。

社会貢献活動に積極的な企業

CSR活動に力を入れる企業にとって、スポンサーシップは有効な手段です。スポーツや文化、社会貢献活動を支援することで、企業の社会的責任を果たすことができます。

例えば、教育支援活動を行うNPOのスポンサーになることで、次世代育成に貢献する企業としての評価を高められるでしょう。

スポンサーシップの効果を高める媒体選択

スポーツイベントや団体とのスポンサーシップ

スポーツイベントやチーム、選手への支援は、幅広い層へのアプローチが可能です。スポーツは老若男女問わず人気が高く、注目度も抜群。テレビ中継などを通じて、大きな宣伝効果が期待できます。

また、スポーツは健康的で前向きなイメージがあります。そのイメージを自社ブランドに転移させることで、好感度の向上が見込めるでしょう。

文化・芸術イベントとのスポンサーシップ

音楽イベントや美術展、映画祭などの文化・芸術イベントへの支援は、ハイセンスでクリエイティブなイメージ構築に役立ちます。芸術性の高いイベントを支援することで、企業のブランド価値を高められます。

また、文化・芸術に関心の高い層へのアプローチにも効果的。ターゲットを絞ったプロモーションが可能になります。

新国立美術館

社会貢献活動とのスポンサーシップ

環境保護活動やチャリティーイベントへの支援は、企業のCSR活動としても評価されます。社会の課題解決に取り組む姿勢をアピールすることで、ステークホルダーからの信頼獲得につながります。

また、社会貢献活動への支援は、従業員のモチベーション向上にも寄与。社員が社会的意義のある活動に参加することで、仕事へのやりがいや誇りが高まるのです。

展示会やカンファレンスなどビジネスイベントへのスポンサーシップ

 展示会やカンファレンスへの協賛は、業界内でのプレゼンス向上に効果的です。イベントでの講演や、ブースでの商品展示などを通じて、自社の技術力やソリューションをアピールできます。 また、イベントには業界の意思決定者が集まります。パートナーシップや販路拡大のチャンスにもなるでしょう。名刺交換や商談の場としても活用できます。

スポンサーシップ効果の測定方法

ブランド認知度の変化を測定

スポンサーシップの効果を測る指標の一つに、ブランド認知度の変化があります。スポンサーシップ実施前後での認知度を比較することで、効果を確認できます。

具体的には、以下のような方法が挙げられます。

  • スポンサーシップ実施前後での認知度調査の実施
  • Web上での企業名やブランド名の検索回数の変化を分析
  • ソーシャルメディア上での言及数の変化を追跡
  • H3: ターゲット層の態度や行動の変化を分析

スポンサーシップによって、ターゲット層の企業やブランドに対する態度や行動がどう変化したかを分析することも重要です。

具体的には、以下のような指標を追跡します。

  • 企業やブランドに対する好感度の変化
  • 商品やサービスの利用意向の変化
  • 実際の購買行動の変化

アンケートやインタビューを通じて、ターゲット層の声を直接収集することも効果的です。

メディア露出度と広告換算値の算出

スポンサーシップによるメディア露出度を把握することも、効果測定には欠かせません。テレビ、新聞、雑誌、Web等での露出回数や時間を集計します。

また、その露出を広告に換算した場合の金額(広告換算値)を算出することで、スポンサーシップの経済的価値を可視化できます。

広告換算値は、以下の式で計算します。

広告換算値 = メディア露出時間(または面積)× 広告単価

この値が高いほど、スポンサーシップの投資対効果が高いと言えるでしょう。

スポンサーシップの成功事例

レッドブルのエクストリームスポーツ支援

エナジードリンクのレッドブルは、エクストリームスポーツのスポンサーシップで知られています。スカイダイビングやBMXなど、スリル満点の競技を支援することで、「挑戦的でクールなブランド」というイメージを確立しました。

また、自社イベント「レッドブル・クリフダイビング」なども開催。イベントの映像コンテンツをWebで配信することで、グローバルに情報を発信しています。

ローソンのコミュニティ活動支援

コンビニエンスストアのローソンは、地域のコミュニティ活動を支援するスポンサーシップに力を入れています。例えば、「ホットステーション」と呼ばれる、地域の高齢者の交流の場づくりを支援。

また、全国の店舗で、子ども向けのスポーツ教室なども開催しています。地域に根差した活動を通じて、「地域に優しい企業」としてのイメージ向上を図っているのです。

パナソニックの五輪スポンサーシップ

電機メーカーのパナソニックは、長年にわたるオリンピックのスポンサーシップで知られています。オーディオ・ビジュアル機器の供給などを通じて、オリンピックの映像体験を支えてきました

「オリンピックのパナソニック」というブランドイメージは、グローバルな認知度向上に大きく貢献。「技術力の高さ」や「挑戦者魂」といったイメージも定着しました。

スポンサーシップの今後の展望

デジタル技術を活用した新たなスポンサーシップ

近年、デジタル技術の発展に伴い、スポンサーシップの形態も変化しつつあります。バーチャル空間上でのイベント開催や、SNSを活用した選手とファンの交流など、新たな可能性が広がっています。

また、AIを活用したデータ分析により、スポンサーシップ効果の可視化も進んでいます。リアルタイムでの効果測定が可能になることで、よりターゲットを絞った戦略的なスポンサーシップが実現するでしょう。

社会課題解決型のスポンサーシップの増加

企業のCSR活動への関心の高まりを受けて、社会課題の解決につながるスポンサーシップが増えています。環境保護や多様性の尊重、教育支援など、社会的意義のある活動への支援が注目されているのです。

スポーツイベントと社会貢献活動を組み合わせたプログラムなども登場。参加者がスポーツを楽しみながら、社会課題について学べる機会を提供するなど、新しい形のスポンサーシップも生まれています。

グローバル市場でのスポンサーシップ機会の拡大

スポーツのグローバル化に伴い、世界規模でのスポンサーシップの機会が拡大しています。オリンピックやワールドカップなど、国境を越えた大規模イベントが増加。グローバルブランドの確立を目指す企業にとって、魅力的な舞台となっているのです。

また、アジアや中南米など、新興国でのスポーツ人気の高まりも見逃せません。これらの国々を対象としたスポンサーシップの価値が高まっており、市場開拓の有力な手段になりつつあります。

まとめ:

スポンサーシップは、企業がブランド価値を高め、認知度を向上させる有効な手段です。イベントや団体、個人への支援を通じて、支援先のポジティブなイメージを自社に転移させる効果が期待できます。

スポーツスポンサーシップは、幅広い層へのアプローチを可能にします。また、文化・芸術イベントや社会貢献活動への支援は、企業のCSR活動としても評価されます。

スポンサーシップ契約では、支援内容や金額、期間などが取り決められます。スポンサー料は、支援先の価値や提供される宣伝効果などを総合的に判断して決定されるのが一般的です。

また、スポンサーシップの効果測定には、ブランド認知度の変化や、ターゲット層の態度・行動の分析、メディア露出度などの指標が用いられます。

スポンサーシップの成功事例としては、レッドブルのエクストリームスポーツ支援や、ローソンのコミュニティ活動支援、パナソニックの五輪スポンサーシップなどが挙げられます。

今後は、デジタル技術を活用した新たなスポンサーシップや、社会課題解決型の取り組み、グローバル市場での機会拡大などが注目されています。

スポンサーシップは、企業とステークホルダーをつなぐ重要な架け橋。戦略的に活用することで、企業価値の向上と、社会への貢献を両立できるのです。ブランド戦略の一環として、ぜひスポンサーシップの可能性を探ってみてはいかがでしょうか。

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