こんにちは!アスリンクビズ筆者の本山です!
実はスポーツチームで働く中で、チームのスポンサー営業もしてました。
スクールの立ち上げをしながら、アカデミーのスポンサー、チームのスポンサーを集めていました。
スポーツチームにおいて、チームの運営資金を確保するためにスポンサー企業からの支援は欠かせません。しかし、スポンサー獲得のための営業活動は簡単なものではありません。
本記事では、元スポーツチームのスタッフとして活動した私が、スポンサー営業の重要性や具体的な手法について解説します!
Contents
そもそもスポンサーって何で必要?
スポンサーがスポーツチームにとって必要不可欠である理由を、収益構造とスポンサーメリットの観点から解説します。
ここを理解すればなんとなくスポンサーとはなんなのかがわかるかと思います。
スポーツチームにおける収益構造とは?
スポーツチームの収益源は大きく分けて以下の3つです。
- チケット収入
- グッズ販売
- アカデミー収入
- スポンサー収入
中でもスポンサー収入は、安定した運営資金を確保するために非常に重要な役割を果たしています。「スポンサー収入なくして、チームの存続はありえない」と言っても過言ではありません。
実際、多くのプロスポーツチームにおいて、スポンサー収入が全体収入の大体50〜70%(本当にチームによる)を占めています。チケット収入や放映権料などに頼るだけでは、安定的な運営は難しいのが現状です。
スポーツのスポンサーにはどんなメリットがある?
ただ、スポンサーってお金が欲しいって言ってるだけなので、なんのメリットがあるの?って感じだと思うんですけどちゃんとメリットもあるんですよね。
企業がスポーツチームのスポンサーになることで得られるメリットは以下の通りです。
- ブランドイメージの向上
- 企業の知名度アップ
- 地域貢献や社会貢献としてのアピール
- 従業員のモチベーション向上
- 他企業とのネットワーク構築
スポンサー企業は、スポーツチームを支援することで自社のプレゼンス向上や企業価値の向上を図ることができるのです。
例えば、あるスポーツ用品メーカーは、プロバスケットボールチームのユニフォームに自社ロゴを掲出することで、ブランド露出を大幅に高めることに成功しました。また、ある飲料メーカーは、人気野球選手を起用したCMを制作し、商品の販促に役立てています。
このように、スポーツのもつ訴求力を活用することで、企業は様々なメリットを享受できるのです。
スポンサー営業とは?
では実際にスポンサー営業って何をやるか?みたいなところに入っていければと思います。
ここからは、スポンサー営業の具体的な内容と、それが必要とされる理由について解説します。
スポンサー営業の具体的な内容
スポンサー営業とは、スポーツチームがスポンサー企業を獲得するための営業活動のことを指します。具体的には以下のような内容が含まれます。
- スポンサー候補企業のリサーチ
- スポンサーシップ提案書の作成
- 企業への直接的なアプローチ
- 契約交渉
つまり、スポンサー営業とは、企業とスポーツチームをつなぐ”架け橋”の役割を担っているのです。両者のニーズを理解し、Win-Winの関係を築くことが求められる、非常にやりがいのある仕事だと言えます。
スポンサー営業が必要とされる理由
前述の通り、スポーツチームにとってスポンサー収入は非常に重要な収益源です。安定的な運営資金を確保するためには、積極的なスポンサー営業が欠かせません。また、スポンサー企業を増やすことで、チームの社会的信用度も向上します。
さらに、スポンサー営業は、チームの価値向上にも直結します。営業担当者が企業とのコミュニケーションを通じて、チームの魅力を伝え、ファンを増やすことができるからです。
実際、筆者が携わっていたチームでは、スポンサー企業との共催イベントを通じて、地域でのチームの認知度が大きく向上しました。
企業主催のイベントの盛り上げ役として参加することで、企業はイベントが盛り上がって嬉しい。チームとしては認知拡大にとって嬉しいとWin-Winの関係が作れます。
スポンサー営業の効果は、資金面だけでなく、チームの発展全般に及ぶと言えるでしょう。
スポンサー営業の主な業務
ここからは、スポンサー営業の主な業務について、具体的に解説していきます。
スポンサー獲得のための企画立案
スポンサー営業において、まず重要なのが企画立案です。スポンサー候補企業のニーズを捉えた魅力的な提案を行うために、入念な準備が必要となります。例えば、以下のような企画が考えられます。
- 企業ロゴを入れたユニフォームの作成
- スタジアムへの企業広告の掲出
- SNSへの掲載
- 交流会への参加
- イベントへの協賛
企業の目的に合わせて、幅広い角度から企画を立案することが求められます。
いきなり大型案件になることもありますが、少しづつ協賛や、協力などからチームへの関わりを増やしていくことが必要です。
スポーツに興味ありそうな企業へのアプローチ
スポンサー候補企業をリサーチする際には、以下のような観点が重要です。
- 企業理念とスポーツの親和性
- 商品・サービスとスポーツの関連性
- 金銭的な余裕さ
- その他の各企業との繋がり
- CSRへの興味関心
- 企業の広告戦略とスポーツの活用可能性
ここは目的によって変わってきます。広告目的を探すならならtoCのがいいでしょうし、
CSRとかであればホームページ見て地域貢献系を探します。
一概にtoB企業だから厳しいという話ではなく、toB企業でも従業員へのブランディングや、企業間の繋がりをメリットと感じてくれる企業もいます。
提案書の作成とプレゼンテーション
スポンサー候補企業へのアプローチに際して、提案書の作成は非常に重要です。提案書には以下のような内容を盛り込みます。
- スポンサーシップの目的と意義
- 提供できる広告メニュー
- 期待される効果
- 費用対効果
提案書は、企業の意思決定者を説得できるような内容であることが求められます。また、プレゼンテーションでは、提案内容を分かりやすく伝えることが重要です。
私の経験では、提案書の内容だけでなく、プレゼンテーションの手法や情緒的価値が重要になってきます。正直、お金を払う価値があるかの言語化はなかなか難しいものです。
ですので気持ちで押し切る、気に入ってもらうことが重要になってきます。
私は、一時期ユニフォームを一式着て商談に行ってました。笑
提案書とプレゼンテーションは、営業担当者の”武器”です。相手に伝わる資料作成と説明を心がけることが重要だと言えます。
スポンサー営業に求められるスキル
優秀なスポンサー営業担当者に求められるスキルについて解説します。
コミュニケーション能力
スポンサー営業では、企業の意思決定者と直接コミュニケーションを取る機会が多くあります。そのため、高いコミュニケーション能力が求められます。
- 適切な言葉遣いと丁寧な対応
- 相手の意見を引き出す傾聴力
- 自社の強みを明確に伝える説明力
これらのスキルを身につけることが、スポンサー営業成功の鍵となります。
特に、企業担当者との信頼関係構築は非常に重要です。単に営業トークを繰り返すのではなく、相手の話に耳を傾け、ニーズを汲み取ることが求められます。その上で、スポーツチームとしての魅力を伝え、共感を得ることが大切だと言えます。
交渉力
スポンサー契約の締結に際しては、条件面で企業と交渉する必要があります。win-winの関係を築くためにも、交渉力が欠かせません。
- 企業のニーズを的確に理解する
- 自社の条件をしっかりと主張する
- 歩み寄りの姿勢を見せる
粘り強く交渉を重ねることで、良好な関係構築に繋がります。
ただし、交渉では、一方的な主張ではなく、相手の立場に立って考えることが重要です。企業の予算や広告戦略など、様々な制約がある中で、最適な条件を引き出すことが求められます。
時には、条件の一部を譲歩することも必要でしょう。長期的な関係構築のためには、柔軟な姿勢も大切だと言えます。
マーケティング知識
スポンサー営業では、マーケティングの知識が役立ちます。
- 企業のマーケティング戦略の理解
- スポーツマーケティングの特性の理解
- データ分析力
マーケティングの観点から提案を行うことで、企業の共感を得やすくなります。
例えば、スポーツチームのファン層や地域での認知度などのデータを活用し、企業の広告戦略に合致する提案を行うことが考えられます。また、スポーツマーケティングの特性を理解し、スポーツならではの訴求力をアピールすることも効果的でしょう。
企業のマーケティング戦略を理解し、スポーツの魅力を最大限に活用する提案ができれば、スポンサー獲得の可能性は大きく高まります。
スポンサー営業の仕事の流れ
ここでは、スポンサー営業の一連の流れについて解説します。
ターゲット企業のリサーチ
前述の通り、スポンサー候補企業のリサーチから始まります。
- 企業の業種、業態、規模などの基本情報の収集
- 企業理念や広告戦略などの深堀り
- スポーツとの親和性の分析
できるだけ多くの情報を集めることが、営業活動の成功に繋がります。
リサーチの際は、企業のWebサイトや新聞記事など、公開情報を幅広く収集することが重要です。加えて、業界紙や専門誌など、より深い情報にもアクセスすることが望ましいでしょう。
また、社内の他部署とも連携し、企業との接点がないかリサーチすることも有効です。例えば、チケット販売担当部署から、ある企業の担当者が熱心にチケットを購入しているという情報が得られれば、スポンサー候補としてアプローチする価値があると判断できます。
企画立案とプレゼンテーション資料の準備
リサーチ結果を元に、企画立案を行います。
- ターゲット企業のニーズに合わせた企画の立案
- 費用対効果の試算
- プレゼンテーション資料の作成
説得力のある企画とプレゼンテーション資料が、営業活動の武器となります。
企画立案の際は、クリエイティブな発想力が求められます。例えば、「ユニフォームへの企業ロゴ掲出」という一般的な手法だけでなく、「スタジアムのネーミングライツ」や「選手との交流イベント開催」など、独自のアイデアを盛り込むことが重要です。
また、プレゼンテーション資料の作成では、ビジュアル面の工夫も欠かせません。写真や動画、図表などを効果的に使い、企業担当者の理解を深められるよう心がけましょう。
営業活動と交渉
いよいよ、ターゲット企業への営業活動です。
- 企業への直接的なアプローチ(訪問、電話、メールなど)
- プレゼンテーションの実施
- 条件交渉
粘り強く交渉を重ね、win-winの契約締結を目指します。
営業活動では、タイミングが重要です。例えば、企業の広告予算策定時期に合わせてアプローチすることで、スムーズに話を進められる可能性があります。
また、企業との信頼関係構築のためには、継続的なコミュニケーションが
欠かせません。単発の営業ではなく、日頃から企業との接点を持ち、ニーズを把握することが大切だと言えます。
契約交渉の際は、企業の予算や広告戦略を踏まえつつ、スポーツチームとしての魅力を最大限にアピールすることが求められます。時には、契約条件の一部を譲歩することも必要でしょう。長期的な関係構築のためには、柔軟な姿勢も大切です。
スポンサー営業の課題と解決策
スポンサー営業を進める上での課題と、その解決策について考えてみましょう。
そもそも企業にニーズがないなかでどうするか?
スポーツへの理解が十分でない企業も少なくありません。そのような企業に対しては、以下のようなアプローチが有効です。
- スポーツのもつ価値の丁寧な説明
- 他社の事例の紹介
- イベント参画の提案(小規模から始める)
スポーツの魅力を伝え、理解を得ることが重要です。
特に、スポーツのもつ「感動」や「一体感」といった感情的な価値を、データだけでなく、ストーリーを交えて説明することが効果的です。また、スポーツチームに対する世間の注目度の高さや、ファン層の広さなども、具体的な数字を示しながらアピールしましょう。
他社の成功事例を紹介することも、企業の理解を深める上で有効な手段です。
私が推してたのは、スポーツスポンサーシップによって、ブランドイメージが向上した事例や、交流会にて関係構築から売上増加に繋がった事例などを示すことで、スポーツの価値を具体的に伝えることでした。
長期的な関係構築の重要性
スポンサー契約は、単発ではなく、長期的な関係構築を目指すべきです。
- 定期的な報告と情報共有
- 企業イベントへの協力
- 契約更新に向けた早めの提案
信頼関係を築き、長期的なパートナーシップを目指します。
スポンサー企業との関係は、契約締結後も継続的に築いていく必要があります。定期的な活動報告や、企業イベントへの選手派遣など、日頃からコミュニケーションを密にすることが大切です。
また、契約更新に向けては、早めの提案が重要です。契約期間中の成果を丁寧にまとめ、次の提案につなげることが求められます。企業との信頼関係があれば、スムーズな契約更新が可能になるでしょう。
長期的な視点を持ち、企業とのWin-Winの関係を築くことが、スポンサー営業の究極の目標だと言えます。
スポーツチームのスポンサー獲得事例
ここでは、実際のスポーツチームにおけるスポンサー獲得の事例を紹介します。
広告としての活用
スポーツチームは、企業広告の効果的なプラットフォームとなります。
- ユニフォームへの企業ロゴ掲出(例:サッカーJリーグの各チーム)
- スタジアムへの看板設置(例:プロ野球の各球場)
- 選手を起用したCM(例:大手飲料メーカーによる起用)
企業の認知度向上に直結する広告手法として、スポーツの活用が注目されています。
例えば、あるJリーグチームでは、ユニフォームの胸部分に大手自動車メーカーのロゴを配置し、試合中の露出を高めました。その結果、スポンサー企業の認知度が大幅に向上し、販売台数の増加にも繋がったそうです。
また、プロ野球の球場では、外野席の上部に大型の企業広告看板が設置されています。試合中継の際には、必ずその看板が映り込むため、企業にとっては非常に価値の高い広告枠となっています。
地域貢献(CSR)としての活動
近年、企業の社会貢献活動(CSR)としてスポーツ支援が盛んです。
- 子供向けスポーツ教室の開催(例:大手住宅メーカーによるサッカー教室)
- チャリティーイベントの共催(例:マラソン大会での寄付の呼びかけ)
- スポーツを通じた地域活性化(例:地元企業による地元チームの支援)
社会貢献としてのスポーツ支援は、企業イメージの向上に繋がります。
例えば、ある地場の大手住宅メーカーと提携し、子供向けのサッカー教室を定期的に開催しています。企業はサッカーの少年少女の育成を通じて、地域貢献をアピールすると同時に、教室に参加している子供達の親と住宅に関する話をして将来の顧客獲得にも繋げているのです。
また、あるプロバスケットボールチームでは、スポンサー企業と共同で、チャリティーオークションを開催しました。選手の私物などを出品し、収益金を地域の病院に寄付する取り組みです。スポーツを通じた社会貢献活動として、大きな注目を集めました。
各企業間の繋がり
スポンサー企業同士のつながりも、大きなメリットとなります。
- 共同イベントの開催(例:スポンサー企業合同の Fan Festa)
- ビジネスマッチングの機会創出(例:スポンサー企業同士の商談会)
- 情報共有の場の提供(例:スポンサー企業向けのセミナー開催)
スポーツを通じて、企業間のネットワーク構築が可能となります。
例えば、あるバレーボールチームでは、スポンサー企業同士の交流会を定期的に開催しています。普段は接点のない異業種の企業が、スポーツを通じてつながることで、新たなビジネスチャンスが生まれることもあるそうです。
また、スポンサー企業向けのセミナーを開催し、スポーツマーケティングの最新トレンドを共有する取り組みもあります。企業にとっては、スポーツ活用のノウハウを得られる貴重な機会となっています。
スポンサー企業同士のつながりを創出することは、スポーツチームにとっても大きなメリットがあります。企業間の結びつきが強まれば、スポンサー契約の継続や、新規スポンサーの獲得にも繋がるからです。
スポンサー営業の将来性
スポーツ業界の発展に伴い、スポンサー営業の重要性はますます高まっています。
「スポーツ庁」の設置や「スポーツ産業の成長産業化」が政府の成長戦略に盛り込まれるなど、スポーツへの注目度は高まる一方です。
今後は、スポーツを活用した企業のマーケティング活動がより活発化することが予想されます。それに伴い、優秀なスポンサー営業の人材ニーズも高まるでしょう。
マーケティングの知識を身につけ、企業とスポーツチームをつなぐ架け橋となれる人材が、これからのスポーツ業界を牽引していくと言えます。
私自身の経験からも、スポーツの持つ無限の可能性を感じずにはいられません。
スポーツの魅力を最大限に引き出し、企業価値向上に貢献する。それがスポンサー営業の醍醐味であり、やりがいです。
これからスポンサー営業を目指す方々に向けて、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。
スポーツの発展に向けて、共に頑張っていきましょう!
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